こんにちは、ナナさんです。このページを見つけてくださりありがとうございます。
外務省の危険情報で「レベル4(退避勧告)」は、最も厳しい警告です。
「渡航はやめてください。滞在中の方は直ちに退避してください」という内容で、観光はもちろん、仕事で行くことも基本的には不可能。
大阪・関西万博では「退避勧告が出ている国」も参加しています。
中東のイエメン、東欧のウクライナ、そしてアフリカのソマリア・中央アフリカ・スーダン・南スーダン・マリ(首都バマコのみ退避勧告ではなくレベル3の渡航中止勧告)。
今回は現地には行けなくても、万博(コモンズ)だからこそ出会えた国々を紹介します。
2025.10.5 コモンズB ハイチを加えてリライトしました
コモンズAの現地に行けない国
イエメン ― 行商風の展示が印象的(7月6日訪問)
中東の南端に位置する国で、古代から交易の要所として栄えてきました。現在は内戦が長引き、全土が退避勧告の対象に。豊かな歴史と現代の厳しい現実が同居しています。
万博では、パビリオン売店が有名。客と店とが交渉しながらアクセサリーの売買をしている様子が見られ、会場の中でも目を引いていました。私は肩が凝るのでアクセサリー類はつけませんが、アクセサリーをつける人なら売買体験も楽しいかも。
白を基調としたすっきりとしたパビリオンからは現地の紛争を想像するのは難しく、万博だからこその貴重な体験だと感じました。

コモンズBの現地に行けない国
ソマリア ― 文化に触れられる貴重な機会(5月3日訪問・9月7日再訪)
治安悪化のため全土がレベル4に指定されているソマリア。子供の頃から水色地に白い星の旗が印象に残っている国で、5月3日に訪問しています。
私はレベル4の国に関しては意識して写真を撮っていたのですが,何故かソマリアの写真は残っていませんでした。9月7日に再訪して5月に写真を撮らなかった理由に気づきました。
熱烈な「サッカー推し」の展示。子供たちの将来を見据えての活動であることがわかり、文化紹介として納得。再訪時はたくさん写真を撮りました。キャラクターにどんな名前がつくのか、楽しみです。

中央アフリカ― 限られた展示に込められた存在感(5月3日訪問)
アフリカ中央部の内陸国で、豊かな資源を持ちながら政情不安や治安悪化が続いています。現在は全土が退避勧告の対象で、観光はもちろん渡航自体が困難です。
私が訪問したときの第一印象は「南アフリカだけじゃなく、中央アフリカという国もあるんだ」という驚きでした。展示には日本語と中国語が併記されていて、中国からの来館者を意識しているのかもと感じました。
パビリオン自体は大規模ではありませんが、布や装飾品など地域の文化を感じさせる展示が並んでいました。規模は小さくとも、普段なら触れられない文化に出会える貴重な機会だったと思います。

ハイチ ― 彩りの奥にある、静かな強さ(5月3日訪問 9月23日再訪)
カリブ海に位置する島国で、フランス語とハイチ・クレオール語を公用語としています。
ラテンアメリカで最初に独立した国として知られますが、近年は治安の悪化や地震被害などにより、外務省の「退避勧告(レベル4)」対象国となっています。
初めて訪れたとき、目を引いたのは展示中央に置かれた鮮やかな女性のドレスでした。
「なぜドレスがここに?」と不思議に思いながらも、その場では理由がわかりませんでした。
再訪時にスタッフの方にもドレスの展示についてお聞きしましたが、明確な回答は得られませんでした。ただ、そのドレスが“遠い国の現実”と“文化の誇り”を静かに語っているように感じました。

コモンズCの現地に行けない国
ウクライナ ― 戦争下でも誇りを持って参加(5月3日訪問)
ヨーロッパ有数の農業国で「欧州の穀倉地帯」と呼ばれます。現在はロシアとの戦争が続き全土が退避勧告対象。困難な状況にあっても文化や誇りを発信し続けています。
そんな状況で急きょ万博参加を決めたと報道で知り、展示に大きな関心を持っていました。
コモンズCに入居する11か国の中でも特に人気で、訪問時は30分待ち。
その理由は「展示の仕掛け」にありました。展示品のタグをスマホ型端末で読み取ると、現地の人が解説する動画が流れる仕組みです。
回転は遅くても、一つひとつの映像から「今を伝えたい」「存在を示したい」という強い意思が伝わってきて、胸に迫るものがありました。

コモンズDの現地に行けない国
スーダン ― 内戦下でも存在を示す(5月4日訪問)
ナイル川が流れる国で、古代文明の遺跡も残る歴史豊かな地域。しかし近年は内戦や政変が絶えず、全土がレベル4に指定。治安の悪化が深刻な課題になっています。
会場には「SUDAN」と書かれたモニュメントがあり、水が流れ落ち、足元には花が咲いていました。ブルーのLEDランプが心を落ち着かせます。シンプルで洗練されたデザインは私好みであり、平和への願いを象徴しているように感じました。
平和な会場で展示を眺めていると、現地との厳しい状況とのギャップに胸がざわついたのを覚えています。規模は決して大きくないものの、強い存在感があるパビリオンでした。

南スーダン ― 世界で一番新しい国が伝える存在感(5月4日訪問)
2011年にスーダンから独立した「世界で一番新しい国」、南スーダン。独立後まもなく内戦が勃発し、現在は全域が退避勧告の対象となっています。若い国としての歩みは、いまも多くの困難に直面しています。
東京オリンピックの際、陸上選手が群馬で合宿していた姿をテレビで見て以来、ずっと気になっていた国でもありました。パビリオンは自然や文化を紹介する内容で、展示デザインもコントラストがはっきりしていて私好み。印象に残る展示が多く、思わず写真をたくさん撮ってしまいました。
平和な会場で「世界で最も若い国」と出会えたことは、万博ならではの体験だったと思います。

マリ(首都以外レベル4)―音楽と文化で伝える国の力強さ(5月4日訪問)
西アフリカの国で、かつてサハラ交易の中心として栄えました。世界遺産の古都トンブクトゥを有し、音楽や芸術の豊かさでも知られますが、現在は治安悪化が続き、首都バマコ以外はレベル4です。
パビリオンの入口では「ようこそ」の言葉が来場者を迎えてくれました。
中には音楽、民族衣装、工芸品などが並び、とくに音楽に力を入れた展示が印象的。世界的にも評価されるマリ音楽の魅力が存分に表現されていました。
現地に行くことはできなくても、万博を通してその文化の力強さを感じられたのは特別な体験でした。

まとめ
退避勧告レベル4の国々には、現地に行くことはできません。
それでも万博に来れば、イエメン・ソマリア・中央アフリカ・ウクライナ・スーダン・南スーダン・マリと、安全な環境で出会うことができます。
「本来なら行けない国に触れられる」というのは万博の大きな魅力のひとつ。
危険情報の現実を踏まえつつ、文化や人々に出会えた時間は、心に深く残る経験でした。
補足・・万博に参加していない全土に退避勧告が出ている国
- シリア、アフガニスタン、リビア、ニジェール(ニアメ市除く)
ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回はコモンズA 印象に残った国を紹介します
